田代村体験協議会にとっての2013年最初の活動として、羽後町の冬の風物詩「ゆきとぴあ七曲」に合わせ、日本のグリーンツーリズムの権威で、田代村体験協議会のメンバーとも親交の深い東洋大学社会学部長の青木辰司教授と㈱ユーラシア旅行社の原さん、東洋大学の学生・OGが4名の計6名をお招きしました。学生さんたちは東京から夜行の高速バスでおいでになりました。みなさんは秋田県への旅は初めてとのことで、雪の多さに驚いていました。
到着後は、まず雪国の必需品の長靴を購入するためにホームセンターへ。雪深い羽後町ではこれがないと始まりません。
さっそく長靴に足を通し、ゆきとぴあの準備を始めている田代後継者会のもとへ。ゆきとぴあの「花嫁道中」を彩るキャンドルの灯をともす穴を掘る作業をお手 伝いしてもらうかと思っていましたが、ベテラン方の仕事が早く、着いた頃にはすっかり山頂まできれいにしあがっていました。
今年のゆきとぴあ花嫁道中にはドキュメンタリーの撮影のため、NHK のクルーも雪の中取材準備。花嫁道中の様子は2月11日に全国放送されました。
この後は後継者会と合流し、田代の象徴「旧・長谷山邸」まで移動。長谷山邸の向かいにあり、今回の宿となる「茅葺山荘 格山」で荷物をおろして昼食をとり、アトラクションの試走などで雪と親しみました。
花嫁道中までの空き時間、佐藤氏が旧長谷山邸の内部を案内しました。佐藤氏の説明に真剣に耳を傾け、伝統ある品々に感動しているようでした。
花嫁道中の開始時刻となり、出発地点の羽後町役場まで移動。新幹線でいらした青木先生とはここで合流。
いよいよ、花嫁道中のスタート。生の長持唄が流れる中、地元高瀬中学校の生徒たちが先導する馬ぞりに乗り込み、多くの人に祝されながらの出発となりました。原さんは最初から道中の後ろを随行するウォーキングに参加しました。青木教授と学生さんは、少し先回りして田代後継者会が準備した物販車「アンパンマン号」と「もへ家」の手伝いに向かいました。
沿道にはたくさんの人が出てきて、新郎新婦を見送っていました。そんななかでも、学生さんたちがお手伝いしてくれたアンパンマン号は子供たちに大人気でした。
秋田弁で「ひょうきんもの」を意味する「もへけ」号のなかで、お手伝いする学生さん達。外は風も強くひどい寒さでしたが、「もへ家号」「アンパンマン号」の中は暖かく、かぶりものをしながら地元の皆さんと交流しながらのお手伝い。
「たらこ」と「なまはげ」のかぶりものを身に着けた学生さんたち。先回りして花嫁道中を待つカメラマンさん達にも人気で取り囲まれて撮影会が始まっていました。
七曲峠の梺で観光客やNHKのスタッフさんなどと雑談しつつ一行の到着を待ちます。そんな中、七曲峠では積雪で倒木し道がふさっがってしまい、一時通行止めとなる一幕も。花嫁さん達一行を滞りなく進めるように撤去作業が行われていたようです。
花嫁道中の一行が七曲峠の梺に着くころには、日も陰ってきて道沿いのキャンドルの光がやさしく揺らめきます。ここからは、青木教授と学生たちも花嫁道中のウォーキングに参加して、峠の頂上を目指しました。
そりを曳く馬の歩幅に合わせながら休憩をとりつつ、一歩ずつ頂上を目指します。ウォーキングに参加した男子中学生たちはふざけあいながら楽しそうに歩いており、疲れを微塵も感じさせない若さを見せてくれました。
モニターツアーの皆さんも、誰一人脱落することなく頂上まで到達。
七曲峠の頂上では、朝から準備したステージ上でビッグキャンドルへ点火催しが行われました。ここまで来たらあとは緩やかな下りと平たんな道のりを残すのみですが、ここからが辛いところ。
学生さんたちは、再度「アンパンマン号」「もへ家号」に乗り込み、ゴール地点である旧長谷山邸まで先回り。夕食の手打ち蕎麦と羽後町産のイチゴを頂きました。
夕食後、物販を手伝ってもらったりバナナボードで楽しむ小学生たちやカラオケ大会を眺めているうちに、花嫁道中の一行が到着。鏡開きや餅まきなどのあとに、フィナーレの雪花火。
夜空に花火がはじけるたびに、雪化粧した長谷山邸や木々が照らしだされ、みなその幻想的な景色に魅入っていました。
ゆきとぴあ終了後には、モニターの皆様、田代村体験協議会および田代後継者会の会員に、5年連続で雪とぴあに参加中の平木さんが加わり、懇親会を行いました。それぞれ自己紹介を行った後は歓談。楽しい会話の中にも、田代のグリーンツーリズムの今後について語り合ったり、先進的な取り組みをしている事例を紹介していただいたりと、話しのネタは尽くことなく夜は更けていきました。